せつない遠足
2014年 05月 18日
楽しい1日になるはずの遠足。
でも、むすっこは帰るやいなや沈んだ表情。
遠足の帰り道、川の中に打たれた鹿が
そのまま捨てられているのを見ながら
子供たちは通り過ぎた、という。
そのあと、道に鳥のひなが落ちていたらしい。
弱っていたけどかすかに動いていたそうだ。
それを「見て見ぬふり」したことを話しながら
小さく涙ぐんでいた。
学校に着いてから
たとえ遠足の流れに反してでも
助けてあげれば良かった、と悔いたようだ。
時間厳守の学校生活の中で
それに逆らえないで、巻かれてしまう日常。
せわしい世の中だと思う。
鳥のヒナ1匹すら助けて上げられない現実。
この素通りが・・・この時代の「無関心」の象徴だと思う。
どれだけ教師や親が「命を大切にしなさい」
「物事や人に関心を持ちなさい」「見て見ぬ振りはダメ」
と言ったところで
もはや説得力は、無いに等しいんじゃないか、と。
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私は佐久に越してきた当初
国道141号のど真ん中を
ひたすら歩くお婆さんに出会ったことがあります。
(のちに認知症と分かりました)
どの車もお婆さんを避けて通り過ぎるだけ・・・。
もう、悲しすぎるその光景は今でも忘れていません。
お婆さんを捕まえて
近くの空き地で話していると
隣の車屋さんが出てきて言ったのです。
「そのばあさん、しょっちゅう車道を歩いてるよ、いつものことだ。」
え?それが日常だから助けもしない?声すらかけない?
その無関心さに鳥肌が立った。
都会だろうと田舎だろうと、きっと同じ。
身内や友達・知人以外には関心がないことが
増えてきていて・・・増えすぎて・・・
「命」さえも見過ごしてしまう
むなしくて、せつない時代だと感じている。
by soronoki
| 2014-05-18 08:35
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